XP-PENの新液タブArtist12の実機開封レビュー。XP-PEN製品の中で12インチと最小サイズ液タブで価格27,500円ながら筆圧8192レベルと描画能力はそん色ない高いレベルだ。初心者向けのエントリーモデルだが実際に使ってみての描き心地を画像、動画を合わせてご紹介する。
XP-PEN 液タブ Artist12 価格・スペックまとめ
液タブArtist12がXP-PENから新発売された。今回実機を開封、使用してみての感想をレビューでご紹介。Artist12の特徴をまとめるとこうなる。
- 液晶作業エリア:11.6インチ
- 液晶解像度:フルHD1920×1080
- 表示色域:72%
- 筆圧:8192レベル
- ペン:バッテリーレス、消しゴム機能付き
- 価格:27,500円とシリーズ最安!
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最大の特徴はXP-PENの液タブシリーズの中では最小サイズの液晶、そして27,500円という安さだ。メーカーの紹介でも分かるが対象となっているユーザーは初心者の方。初めて液タブを購入するエントリーモデルだ。
気軽に始められるようにスペックを抑えるところは抑えており販売価格を下げている。2万円台で購入できる液タブということで大きな話題にもなっていた。早速製品開封から実際に使ってみるまでをレビューでご紹介していく。
XP-PEN 液タブArtist12実機開封レビュー
早速梱包箱から取り出してみよう。
堅めのスチロールで守られておりしっかりとした梱包だ。12インチということで梱包箱も非常にコンパクトで370mm×230mm。デザインもなかなかかわいくて良い。
梱包されているものすべてを出した画像がこちら。
- 液タブ本体
- 筆圧感知ペン(P06)
- ペンホルダー(替え芯8本内蔵)
- USB Type-C - HDMI,USBケーブル
- HDMI-DisplayPort変換ケーブル
- クリーニングクロス+三本指ケーブル
- 日本語マニュアル+保証書
初心者向けということで液タブを始めるためのものはすべて揃っている。ユーザーはパソコンを準備するだけですぐにデジタルペイントを始められる。
初心者の方からよくある質問が、液タブ単体で使えるの?というもの。答えはNo。液タブはマウスやキーボードに並ぶ外部入力装置なのでパソコンは必ず必要になる。
では液タブ本体やペンの詳細部分を見てみよう。
XP-PEN Artist12 液タブ本体詳細
本体の外形サイズは364mm×218mm×115mm。ブラック単色でシンプルなデザイン。Appleのような見た瞬間に惚れ惚れする美しさはない代わりに安っぽさも感じさせないシンプルな外観だ。実際に持ってみての感想は軽っ!本体の薄さも相まって非常に軽く感じる。
厚さが115mmと非常に薄くてペンタブとそんなに変わらないレベルだ。下部画像はiPhone 6と並べたものだ。薄さを実感していただけるかと思う。
本体左側にファンクションキー6つと指を滑らせて調整するタッチバーが配されている。
6つのファンクションキーはソフトを使って自分の好きなショートカットを割り当てられる。タッチバーの部分は1mmほどへこんでいて滑らせた感触が分かりやすくなっていた。インターフェイスは非常にシンプル。
本体左上にUSB Type-Cが一つあるのみとなっている。その下にある+、-ボタンは液晶輝度の調整ボタン。
最近の液タブはスマホやタブレットと同じように薄型が進んでいる。個人的には薄くなって感じるメリットは持ち運びやすくなるということくらい?と感じる。が、見た目は確かにスタイリッシュ。Artist12の液タブ本体もご多分に漏れずしっかりと薄く、軽くなっている。
XP-PEN Artist12 筆圧感知ペン
筆圧レベル | 8192 |
方式 | 電磁感応式 |
反応速度 | 266RPS |
読取高さ | 7-12mm |
読取精度 | 中央エリア±0.05mm エッジ部分±5mm |
ペンは充電不要のバッテリーレス。筆圧感知、反応速度、読取精度すべてが現在の最新液タブの最高スペックとなっている。安いからといって描画能力に関しては一番高い製品と同じで非常に優秀だ。
実際に手に持ってみると非常に軽くてコンパクトな印象。六角形のデザインで鉛筆を握った時と同じ感覚で描画できる。手が触れる部分はマットなゴム素材なのでツルツル滑りすぎることもなく良い感じだ。
ペン先はこのように極細でボールペンと全く同じ。描画するときに筆圧を強くするとペン先の部分が0.5mmほど沈み込む仕様。よく言われることだがワコム製のペンはペンの沈み込みが浅く、HUION製のペンは深い。このXP-PENのペンは沈み込みが浅く感じた。沈み込みの深さで比べると、ワコム<XP-PEN<HUION といった感じ。
Artist12液タブとパソコン接続方法
実際に使ってみてのレビューの前に接続方法についてみておこう。初めての方が不安に感じる部分だが付属しているケーブルをパソコンにつなぐだけなので非常にシンプルだ。メーカーの説明図がこちら。
液タブ本体側はUSB Type-C一本のみ。もう一方が三又に分かれているのでそれぞれ、
- USB(黒) → パソコンUSBポートへ
- HDMI → パソコンHDMI出力ポートへ
- USB(赤) → 付属延長コードを通してACアダプタへ
これだけでOKだ。多くのユーザーが感じるであろう疑問が、ACアダプタにつなぐUSBをパソコンのUSBにつないで使用できる?というもの。メーカーの説明書にはこう説明されていた。
長いUSBケーブルをお使いのコンピュータまたは電源コンセントに接続してください。コンピュータと接続した後Artist12が動作しない場合、必ず電源コンセントに挿入してください。
ということでメーカーとしてもパソコンへの接続を推奨はしている模様。ただパソコンのUSB仕様によっては使えない場合もあるようだ。自分のパソコンで試してみると問題なく使用できた。外出先で使用するときにパソコンさえあれば作業できるのは大きな強みだ。これはイイぞ!
XP-PEN Artist12レビュー|実際に使用してみての描き心地
実際にデスクに置いたサイズ感がこちら。縦幅が218mmなのでペタッと机においてもそれほどスペースを取らない。作業スペースはご覧いただいた通り。実際ディスプレイとして使用できるペンでの読取可能範囲は256mm×144mm。プロの方がメインとして使うには狭く感じるサイズだ。
ただArtist12の対象は初めて液タブを始めてみるエントリーユーザー。初めてのユーザーが趣味で始めてみるにはこのくらいのサイズでもOKという方も多そうだ。
ペン先と描画位置のずれ、視差
横のずれ
縦のずれ
ペン先と描画位置の視差は横と縦のずれがある。上部左側は横のずれを検証した画像。実際に描画している姿勢で見える視差はこれくらいだ。極端に速いスピードでペンを動かさない限りはそれほどずれを感じなかった。
ただ少し見る角度を横にすると上部右側の画像のようになる。ペン先が浮いている?と感じる画像だがペン先はしっかりとディスプレイガラスに接触している。この縦のずれは液タブ本体の液晶ガラスの厚さだ。Artist12の場合はガラスの厚さが少しあるので縦のずれはまぁまぁ感じた。他サイズの液タブと比較すると良くも悪くもなくといった感じ。最新モデルなので改善されているか?と期待したが変わらずだった。
ペンの追従性はパソコン性能にもよるが気持ちよく作業できるレベルだった。筆圧感知8192レベルと他サイズの液タブと同様の最高スペックでこちらも非常に快適。描き心地に関しては最安値モデルと感じさせない優秀さだった。
ディスプレイの美しさ・発色
ディスプレイ解像度はフルHD1920×1080ピクセル。くっきりとした写りで問題ない。作業範囲が11.6インチなのでメニューボタンが小さめにはなるがさほどストレスなく作業できた。
発色に関しては表示色域72%ということで少し低めのスペックとなっている。何も設定を変更せずに使用すると少し青みが強く感じた。もし本格的に印刷出版したりしたいのであればこの一台ですべてをまかなうのは難しそうだ。ただ趣味でイラストを楽しみたい!という方であれば問題ない。
XP-PEN Artist12使用してみてのレビュー動画
実際に使用しているシーンを動画でご覧あれ。他製品の動画も同じPentablet.Club運営のTwitterで発信しており、これからもしていく予定なので興味のある方は是非フォローを。
XP-PEN液タブArtist12 開封レビュー
初めての液タブにおすすめのエントリーモデル
・液晶:11.6インチ、フルHD1920×1080
・バッテリーレスペン:筆圧8192、消しゴム機能付き
・価格:27,500円とシリーズ最安!レビュー詳細記事➡️https://t.co/WWUEMD1Fyl#xppen #液タブ pic.twitter.com/dfyIHXH5VM
— Pentablet Club (@PentabletClub) 2018年9月23日
ペンの追従性や筆圧感知などをご確認いただけたかと思う。アップの画像はかなり横からとった映像なので実際の目線とは若干異なる。ディスプレイが小さいのでキャンパスを拡大縮小することが多くなるかと思うが、搭載されているタッチバーで直感的に調節できる。格安モデルだからといって使い勝手を犠牲にせず、ファンクションキーで操作性を顧みている点に好感が持てる。
XP-PEN 液タブ Artist12レビューまとめ
XP-PENの最小ディスプレイモデルArtist12をレビューでご紹介した。実際に使ってみて、
描画能力は非常に高く感じた。ペン筆圧8192レベルという仕様数値だけではなく、最新の六角形デザインのペンの描き心地の良さやペン先沈み込みの浅さなどで非常に自然な描き味を実現している。
ディスプレイ表示能力は正直いまいち。多くのユーザーが感じているようにそれほど優秀とは言えない。色表現の正確さや精細さは仕様数値を見ても性能が少し低い。ただ、
価格27,500円という安さを忘れてはいけない。筆圧8192レベルペン、フルHDディスプレイを搭載しながらこの価格帯を実現しているのは素晴らしい。ユーザーにとってはうれしいポイント。ディスプレイ表示能力に関しては正当なトレードオフといえそうだ。
価格帯、ディスプレイサイズの小ささなどを考えても対象としているのは初めて液タブを購入する初心者ユーザーだ。実際に使ってみて描画能力の高さを実感できた。
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