液タブを30台以上レビューして選んだ2023年絶対おすすめの安い液タブを紹介。液タブの選び方をがっつり検証してからワコム、HUION、XP-PENからの安いおすすめモデルをランキング。初心者にもおすすめの大きいサイズの液タブも紹介。
液タブとは
液タブ(液晶ペンタブレット)とは、上の画像のようにディスプレイにペンで直接を絵をかけるガジェット。パソコンでお絵描きを楽しむのに必須なアイテムだ。マウスだと無理な滑らかで複雑な描画が簡単にできる。
液タブには基本的にパソコンが必須で、単体だとただのディスプレイになるので何も映らない。デスクトップパソコンかノートパソコン、今ならAndroidスマホなどと接続して使えるようになる。
液タブの特徴はスタイラスペンと比較するとわかりやすい。スタイラスペンは線を描けるけれど太さは同じ。液タブなら筆圧感知に対応しているので、線を強く押しつけると太く、弱く押しつけると細くなる。習字の筆で描くときと同じ感覚だ。
液タブはコスパ最強!
お絵描きは好きなんだけど、液タブって高いんでしょ…?
と思う方もいるかもしれないけれど液タブは実はコスパが良い。アナログで必要になる画材、ペンの買い足しなどが不要で、実質ランニングコストがかからないからだ。しかもペイントソフト内で水彩画も油絵も、アニメ画も全て楽しめる。
長い目で見ればコスパ最強の液タブでデジタルペイントライフを始めてみよう!しかも一昔前は最低でも10万円以上必要だったけれど今なら2万円から購入できる!
液タブの選び方
まずは液タブの選び方から。これまで数年間液タブのレビューをし続けて試した機器は30台以上。ほぼ全ての液タブメーカーを試してきてのおすすめの選び方をご紹介しよう!板タブのおすすめはこちらから。
メーカーで選ぶ|ワコム一強からの変化
日本市場での液タブメーカー占有率がここ数年で大きく変化している。
ほんの5年前まで、ほぼ100%のシェアを占めていたのが日本のメーカー株式会社ワコム。電池不要の電磁誘導方式(EMR)のペンの特許を取得していたので他メーカーは一切立ち入れない聖域になっていた。ワコムが専門メーカーとして長年研究開発を続けどんどんスペックアップするのは嬉しいのだけれどネックは価格。
唯一の国産メーカーだということと、そもそもプロの漫画家しか使わない専門性の高さから価格設定も高くて趣味が用途だと手を出しづらかった。
そんな中、高スペックPCの価格も下がって趣味としてデジタルペイントを始めるユーザーが増加。それに伴って海外メーカーもどんどん参入。中国に拠点を置くXP-PENやHUION、Artisul、GAOMONなどだ。
中でもワコムに追従する形でスペックアップを続けてXP-PENとHUIONは成熟期に入っている。液タブとしてのスペック数値はワコムと変わらないレベルまで上がっているけど価格はワコムの半分以下。コスパの良さはワコムの比にならない。
ワコムか、ワコム以外か
Rolandさんの名言みたいになったけれど、メーカーで選ぶならワコムか、ワコム以外かが選択肢の軸になる。高いけど安定の日本製ワコムか、安いけどサポート面で劣る中国メーカーか。
中国メーカーの中で今抜きん出ているのがXP-PENとHUION。どちらも中国深センに拠点を置くメーカーで日本だけではなくて欧米アジア市場で人気のメーカーだ。メーカーの規模としてはXP-PENの方が大きくてシェア率も高いけれど、製品の質、スペック数値は変わらない。サイズ展開も同じなので、後でそれぞれのサイズでおすすめできる方の製品を紹介する。
液晶サイズ・価格で選ぶ
大切な要素が液晶サイズと価格。この二つを一緒にしたのは、液晶サイズの大きさに比例して価格も高くなっているから。初心者だから初期投資を抑えたいという方は、まず小さめの液晶から選ぼう。サイズ感は画像を参考にして欲しい。
まずは11-13インチのコンパクトなタイプ。実際使っているサイズ感がこちら。
机のスペースもあまり取らないし問題なく持ち運べるサイズ感で初心者や、手首を使って小さく描くタイプの方におすすめ。
続いて15-16インチサイズがこちら。
11インチとそれほど変わらなそうに見えるけれど実際使ってみるとかなり広い。ペイントソフトのメニューを開いてもキャンパスのスペースがかなりある。全体を見渡しながら広々とペイントできる。
こちらも軽いので使い終わったら片付けてしまっておけるサイズさ。
最後が22-24インチの最大級サイズ。下の画像で、フルサイズキーボードと比較してもわかる通り、デスクに置くとかなり存在感のあるビッグサイズ。
持ち運びは絶対不可能で完全据え置きで使う環境が必要だ。使えるキャンパス範囲の広さは圧巻。ペイントソフトの他にも手本となる素材を開いたり、見開きページの作品を描いたりできる余裕がある。
ということで、まずは欲しい液晶サイズと価格を同時進行で考えよう。描き心地やスペック数値的にバランスが取れているのは中サイズの15インチ液晶。でも今一番売れているのは最小11-13インチ液晶のようだ。
描き心地で選ぶ|スペックとペンの形状
デジタルペイントで大切な要素が描き心地。もしあなたがプロで描き心地に絶対のこだわりがあるなら迷わずワコムを選ぼう。実際ピクサーにもプロの漫画家にも選ばれているのはワコム。高いけどね。
もし趣味で使いたくてコスパの良さも大切!という方はワコム以外の液タブもおすすめしたい。
描き心地に関係するスペックで大切なのペンの筆圧感知!とどのサイトでも言われているけど実際は今発売されている液タブはほぼ全て8192レベル対応なので同じ数値。同じ数値とは言ってもメーカーが違う液タブを2台並べて比較したら線の描かれ方が微妙に違うかもしれない。でもそれはほんの小さな違いで初心者ならそれほど気にならない部分だ。
それよりもっと直接的で気をつけて欲しい違い。それがペンの形状だ。今安いモデルと高いモデルで差別化が最も図られているのがペンの形状だ。実際に違いがこちら。(左側が高いモデル)
見てわかる1番の違いがグリップ部分の太さと素材で、安いモデルは細くてプラスチック素材になっている。実際長時間使っていると汗で滑りやすいし、何より描き心地の質感の良さが全然違う。
ここは初心者でも使い出した瞬間に感じる違いで、長時間使っていくとその差はかなり大きくなるので注意して選びたい要素だ。
ディスプレイがフルラミネーションか
最後に取り上げるのは、液タブの永遠のテーマとも言えるペン先と描画位置の視差。液タブはディスプレイに直接ペン先をつけて描くけれど、ペン先と描画位置が密着しているわけではない。
この画像のように若干の視差が生まれるのは作り上避けられない部分だ。
原因は線画が反映される液晶とペン先の間にディスプレイガラスがあるから。ペン先から描画位置までには、ガラスの厚み+ガラスと液晶の間の隙間分の距離が生まれて視差になる。
フルラミネーションディスプレイとは、その名前の通り、ディスプレイガラスと液晶部分をダイレクトに貼り付けて隙間を無くす作りのこと。隙間分の距離がないので視差が少なくなって描き心地が良くなる。
そのためには排熱の問題やディスプレイ強度の問題を乗り越えないといけないので価格が高くなる。でも描き心地に直接関わる部分なので拘って選びたいところ。こちらもチェックしよう。
長々と描いてしまったけれど、液タブを30台以上レビューしてみて選ぶときに気をつけて欲しい要素を挙げさせていただいた。
そして今回紹介するのは安い価格でも満足できる絶対おすすめの液タブたち。液晶サイズ+価格別でのおすすめをご紹介していくのでぜひ参考にしていただきたい!
安い絶対おすすめの液タブ|価格・液晶サイズ別
価格 2万円から|安い液タブ 11-13インチのおすすめ
まずは初心者、コストを抑えて液タブを購入したい方におすすめのラインナップ。安いけれど安定して使えるので今一番多くのユーザーに選ばれている液タブたちだ。
XP-PEN Artist 12 セカンド
絶対的な安さが特徴の11.6インチサイズ液タブ。とにかくコスパ重視でまず初めて見たい!という方におすすめしたい製品だ。
新型ペンを搭載していて、ペン先の沈み込みの改善、ペン反応速度の向上で描画性能が格段にスペックアップした。その他フルラ未ネーションディスプレイに変更されたので、ペン先と描画位置の視差も改善されている。
ただ新型ペンとは言っても、プロ向けのペンにはやはり届かない。デザインが異なっていて描き心地、長時間使っていての疲れにくさの点でプロモデルかディスプレイをワンサイズあげることをお勧めする。
コスパの良さは抜群に良くて、初めての液タブを手頃な価格で手に入れたいかたにおすすめだ。レビュー記事も投稿しているのでこちらからどうぞ。
価格 | 21,998円 |
液晶/解像度 | 11.6インチ/フルHD |
筆圧/傾き検知 | 8192/あり |
ダイレクトボンディング | ◯ |
ペン形状 | △ |
HUION Kamvas Pro 13
価格がグッと上がったけれど、製品名にProが入っている通りスペック数値は最高レベル。ディスプレイが11.6インチよりも一回り位大きい13.3インチだ。ダイレクトボンディングに対応しているディスプレイで視差も改善されていてペンのスペックも良い。
本格的にデジタルペイントを始めてみたい。長時間作業したいので疲れにくいデザインのペンが使いたい。という方におすすめしたいモデル。
価格 | 35,999円 |
液晶/解像度 | 13.3インチ/フルHD |
筆圧/傾き検知 | 8192/あり |
ダイレクトボンディング | ○ |
ペン形状 | ◎ |
Wacom One 13
小さいサイズ感の液タブで最後におすすめなのがワコム製。Wacom One13の特徴はワコムなのに安い!ということ。
価格とのトレードオフはペンの筆圧感知が低い点と形状、ディスプレイがダイレクトボンディングに対応していないことだ。とはいってもワコム製品の質感の高さは健在。サポートも日本のしっかりしたコールセンターの助けが嬉しい。
基本的な使い方やセットアップ方法から電話でのサポートを受けながら進めたい方におすすめしたい。
価格 | 32,800円 |
液晶/解像度 | 13.3インチ/フルHD |
筆圧/傾き検知 | 4096/あり |
ダイレクトボンディング | × |
ペン形状 | △ |
価格 3-6万円|液晶16インチのおすすめ
次におすすめするカテゴリが価格が6万円以下で16インチの中サイズのモデル。ペイントソフトのメニュー画面を開いたままでもある程度のキャンパスサイズを確保できる。しかも使い終わったら片付けられるサイズ感なのでデスクスペースが限られている方にもおすすめ。
XP-PEN Innovator 16
XP-PENの液タブのフラッグシップモデル。ペンとディスプレイ両方で最高位スペックだ。ダイレクトボンディングディスプレイで、極限まで視差を改善しているモデル。
本体左側のファンクションキーにもこだわっているのが特徴。クルクル回して使うホイールタイプと指を滑らせるタッチパッドタイプが共存している。製品のデザインも美しくて持っていて満足度の高い液タブだ。
価格 | 59,990円 |
液晶/解像度 | 15.6インチ/フルHD |
筆圧/傾き検知 | 8192/あり |
ダイレクトボンディング | ○ |
ペン形状 | ◎ |
Wacom Cintiq 16
Wacom Cintiq 16(無印)のシリーズで、ワコムの中では初心者向けに設計された液タブ。同じサイズのプロモデルが13万円なので、ワコムの中で比較すると半額で購入できる高コスパモデルだ。
安い理由は、ディスプレイがダイレクトボンディングではないこと。視差は避けられないけれど付属ペンはプロモデルと全く同じProPen2が搭載されている。この点はWacom One 13よりも優秀。
ペンの使い心地や筆圧感知に関してはワコム最高位スペックのProPen2が使えることを考えると高コスパと言える液タブだ。
価格 | 63,800円 |
液晶/解像度 | 15.6インチ/フルHD |
筆圧/傾き検知 | 8192/あり |
ダイレクトボンディング | × |
ペン形状 | ◎ |
価格 6-10万円|液晶22インチ以上のおすすめ
最後におすすめするのが液晶サイズ22インチ以上の大型サイズ液タブ。ただ意外に思えるけれど価格は低くて、HUION Kamvas22なら6万円と16インチモデルと変わらない。
22インチともなるとかなりの存在感なので自分のデスク環境を確認して置けるだけのスペースがあるのかをチェックしてから購入しよう。
HUION Kamvas 22 Plus
21.5インチだけど価格は6万円と超高コスパなおすすめモデル。ディスプレイもしっかりとダイレクトボンディング。液晶が大きくなるとその分ディスプレイガラスも分厚くなるので、しっかりと視差の大きさをカバーしている。
付属ペンはペン先の沈み込みが改善されたプロタイプのPW517。ペンの使い心地も良い!
22インチなのに59,999円!?と驚くユーザーも多いはずだ。安い理由は本体のデザインを見ればわかる。本体のデザインはファンクションキーなどがない最もシンプルな前機種と全く同じもの。
ディスプレイやペンのみのスペックアップで、デザイン面でのコストがかなり抑えられている。ユーザーにとっては液タブにとって一番大事な描き味がスペックアップし、しかもコストが抑えられている良機種と言える。
価格 | 59,999円 |
液晶/解像度 | 21.5インチ/フルHD |
筆圧/傾き検知 | 8192/あり |
ダイレクトボンディング | ○ |
ペン形状 | ◎ |
XP-PEN Artist 24 Pro
おすすめする中では最大サイズの23.8インチモデル。特徴は安いモデルと違ってファンクションキーが搭載されていること。そして解像度が2KのQHD2560*1440だということ。
大サイズ液晶にしっかりと対応してQHD解像度なのでより広々とディスプレイを使える。しかも価格は10万円を切っている。これは安い!
価格 | 99,800円 |
液晶/解像度 | 23.8インチ/QHD |
筆圧/傾き検知 | 8192/あり |
ダイレクトボンディング | ○ |
ペン形状 | ◎ |
以上おすすめの液タブをサイズ・価格別でご紹介した。自分が使うシーンを想像してまずは必要なディスプレイサイズを決めることから始めてみよう!