XP-PEN液タブ最大サイズのArtist22Eのレビュー。実際にXP-PENの液タブを使ってみてペン描画能力、ディスプレイの美しさを確認。ワコム以外の他液タブと比較してXP-PEN液タブの特徴は何か。Artist22Eがデジタルペイントで使えるレベルかを検討する。
XP-PEN液タブのラインナップ
XP-PENは2005年創立のペンタブレット、液晶ペンタブレットの生産販売メーカー。XP-PENのHPの連絡先を見ると中国のメーカーのようだ。他中国ペンタブメーカーとの違いは日本語のHPがあること、現時点ではあまり多くないが日本語のヘルプページも備えていることだ。日本語でのオンライン問い合わせも可能。サポートの対応はややカタコトの日本語ながら誠実に対応してくれると評価は高い。
XP-PENから出ている液晶ペンタブレットは現時点で三種類。
- Artist 10S 10インチ
- Artist 16 16インチ
- Artist 22E 22インチ
今回レビューするのは最大サイズの22インチのAritst22Eだ。現行品で同じサイズのAmazonでの最安値がこちら。
記事執筆時点で81,000円と22インチの液タブとしてはかなり安い部類に入る。実際に製品を使用してみたので開封の様子を関係する仕様数値と合わせてご紹介する。
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XP-PEN Aritst22E開封レビュー
22インチともなると梱包箱も迫力のあるサイズだ。梱包サイズは65*49*18cm、重量8kg。海外発送かと思われるが梱包はしっかりとしており、この化粧箱を更に他の段ボールで梱包している。そして箱の間に約3mmの板が挟まれているので箱の橋が折れたりすることもない。幾つか中国メーカーの液タブを開封してきたが、発送の粗さを想定してどれも平均して梱包はかなり厳重。
XP-PEN Aritst22E付属品
付属品の一覧がこちらだ。梱包箱上部の段ボールにこれらが詰まっている。
- スタイラスペン2本
- ペンスタンド(芯抜き、替え芯8本内蔵)
- 液晶保護シート
- 2本指グローブ
- ドライバCD
- クリーニングクロス
- クイックスタートガイド
- ペン充電USBケーブル2本
- 電源アダプター
- 電源ケーブル
- HDMIケーブル
- VGAケーブル
- mini Display - HDMI 変換ケーブル
対応している映像ケーブルは、HDMI,VGA,MiniDisplayPort。その他は変換ケーブルが別途必要となる。注意が必要なのがこちら。
電源ケーブルは3Pプラグから2Pプラグへの変換が必要
電源差し込み口がご覧のように3Pプラグなので変換アダプタが必要だ。といっても500円以内で解決できる。よく選ばれているのがこちら。
ペン2本付属
筆圧レベル | 2048レベル |
読取精度 | 0.25mm |
読取速度 | 220ポイント/秒 |
読取可能高さ | 15mm |
重量 | 17g |
筆圧レベル2048、読取精度0.25mmとワコムCintiq22HDと比較しても優秀な数値だ。ペン重量を計測すると17gと非常に軽い。充電式だが重さは全く感じないレベルだ。
ペンは充電式だが2本付属されているので充電待ちで作業ができないということはない。充電用ケーブルも丁寧に2本入っている。充電はペンのテール部分からUSBを通してだ。
付属のペン立ての中にペン替え芯が8本と芯抜きが入っている。
実際に持ってみてのサイズ感がこちら。手に触れるグリップ部分がゴム素材となっており滑りにくい仕様。重さは全く感じない。太さは普通のボールペンよりも若干太め。ワコムのプロペンよりも一回り細い。
ペン先径は約1mmだ。サイドスイッチは2か所。押すとカチカチと感触があるが少し取り付けが緩く感じた。
ペンは万一故障してもAmazonで2800円で販売されている。
日本語のスタートアップガイド
日本語のスタートアップガイドも入っている。中国製の液タブで日本語のマニュアルが入っているメーカーは意外に少ないのでありがたい。ドライバのインストール方法、セットアップ、設定方法と一通りの手順はこちらのガイドですべて確認できる。
22インチ液タブArtist22E本体詳細部分
本体外形寸法 | 517x321x30mm |
本体重量 | 5kg |
本体インターフェース
本体裏側の右側に垂直にポート差し込み口が並んでいる。左からパソコンUSBポートへのケーブル、電源ケーブル、HDMI映像ケーブル、DVI映像ケーブル、VGA映像ケーブルだ。
しっかりとしたつくりのスタンド
スタンドは発送された時点ですでに装着されている。角度可変式で15度から85度まで調節可能。鉄素材で描画している手に多少力が加わってもぐらつくことのないしっかりとしたつくりだ。
ファンクションキー 左右に8個ずつ
ファンクションキーは画面左右に8個ずつ備わっている。残念ながら指を滑らせて調整するタッチホイールはない。また左右で別々の機能を割り当てることはできない。右利きと左利き両方に対応するために両側に設置されているようだ。
画面右下に液晶設定操作ボタン
ここで液晶のブライトネス、コントラスト、ガンマON,OFF、カラー設定の変更が可能。
デザイン性
正直なところデザイン性は求めない方が良い。ボタンやベゼル部分などかなりシンプルで無駄のないデザインだがとりわけ美しいというわけではない。あくまで液晶、Apple製品のような精錬されたデザインではない。
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XP-PEN液タブArtist22Eの実力・特徴
実際に使ってみての感想もお伝えする。
液晶は非常に美しい|IPS液晶 解像度フルHD
解像度 | 1920*1080 |
視野角 | 水平、垂直:89度 |
製品仕様数値を見て分かるように液晶はIPSハイビジョンワイドモニターで非常に美しい。正直なところ中国メーカーであろうとなかろうとIPS液晶を搭載、フルHDであれば十分にデジタルペイントで使えるレベルだ。高みを目指せばCintiq Pro16のような4K解像度のものもあるが、個人での使用であればフルHDで十分。
角度による見え方の違いもない。そしてArtist22Eは液晶の色温度や、カラー設定、画面明るさ等が液晶側で調整可能。ある程度の色味の違いであれば自分の好みで調整できるのも強みだ。
ペン描画能力検証
実際にPhotoshop、Win8で使ってみてのペン描画能力を検証してみる。ペンの遅れなどは気にならない。ただゆっくりと斜めに線を引くと線に若干の揺れが生じることもあるが、描画はおおむね良好だ。実際描いている様子の動画がこちら。
XP-PEN液タブArtist22E開封レビュー|美しい液晶、沈み込みの浅いペンが特徴
ペン追従性能、筆圧感知を検証。
更に詳しい情報 → https://t.co/XyGcSjGXdp pic.twitter.com/nAhO2891uM
— Pentablet Club (@PentabletClub) 2017年5月4日
ペン先の沈み込み検証
ワコム以外のペンで気にされることが多いのがペン先の沈み込み。XP-PENの場合若干沈み込みを確認できるが気にならないレベルだ。HUIONのものと比較するとXP-PENの方が沈み込みは浅く感じる。
XP-PEN液タブArtist22E開封レビュー|美しい液晶、沈み込みの浅いペンが特徴
ペンの沈み込みを検証。さらに詳しい情報 → https://t.co/XyGcSjGXdp pic.twitter.com/Nz3obFUo5P
— Pentablet Club (@PentabletClub) 2017年5月4日
XP-PEN Artist22Eは買いか|まとめ
評価できる点としては、まずは価格の安さだろう。22インチの液タブとして破格の値段だ。ワコムのCintiq22HDと比較すると半額以下の価格だ。もう一つは液晶の美しさ。IPS液晶、フルHDの美しさは確かなものがある。角度による色の変化などは皆無。十分デジタルイラストで使用できるレベルだ。
ペン描画能力はをワコム製品と比較するともちろん仕様数値だけでは表せない差があるのは確かだ。もしこれまでずっとワコムの液タブを使用しているなら使い始めは少し違和感を感じるだろう。ただ初めて液タブを使用する方であれば全く問題を感じないはずだ。ペンの反応速度や筆圧感知などストレスを感じることなく使用できる。
ワコム以外の液タブメーカーであるHUION GT-220と比較すると、XP-PENの特徴はペン先の沈み込みが少ないことだ。細かな点だがペン先の沈み込みが特に気になる方にはArtist22Eがおすすめしたいモデルだ。
予算に余裕があって20万円を捻出できる方はワコムCintiq22HDを選択するかもしれないが、
- 予算をできるだけ抑えた22インチ液タブが欲しい
- ペン先の沈み込みの浅さにこだわりたい
- ワコムの書き心地にこだわらない
という方にはXP-PEN Aritst22Eがおすすめだ。現在のAmazon,楽天の最安値はこちらからご覧いただける。