M2 iPad Pro(2022)で可能になったApple Pencilによるポイントとは。液タブユーザーにとっては当たり前の機能だけれど、iPad Proにもついに搭載された。必須と感じるのはどんなユーザーかを検証。
Apple Pencilによるポイントとは
Apple Pencilによるポイントとは、ディスプレイに触れずにホバーしながら操作できる機能。
これまではApple Pencilのペン先がディスプレイガラスに触れて初めてどこに描かれるのかがわかる仕様だった。M2 iPad Proではペン先が12mm以下に近づいた時点で、iPadの画面にポイントが表示される。
ちなみに、この機能は液タブでは基本的なもの。スペック表に『ペン読み取り高さ』で表記されている。一般的には10mmくらいのスペックが多い。
Apple Pencilにポイントが表示されることのメリット
- 描き出しのポイントがより明確に
デジタルペイントの宿命は、ペン先とディスプレイ液晶の描き出し位置に視差が生まれること。Apple Pencilのペン先は細いとはいえ鉛筆よりは少し太い。さらにペン先とディスプレイの間にディスプレイガラスが挟まるので、どうしても若干の視差は避けられない。
この点iPadは非常に優秀で、デジタルペイント専用で開発されたワコム社の液タブ(液晶ペンタブレット)にも負けないレベルで視差がなかった。そんな優秀なiPadの唯一の弱点と言われていたのが掻き出しのポイント(ホバーカーソル)がなかったこと。
ペン先を12mm以下に近づければどのポイントから描き出されるのかディスプレイに表示されるので、より詳細な描画が可能になった。
- ペン先の太さ、色が表示される
対応アプリのみだけれど、ペン先を近づければ描き出される線の太さ、色を描画する前に確認できるようになった。これまではちょっと線を引いてみて太さを確認するしかなかったので作業効率のアップにつながる。
- テキストフィールドが自動で大きくなる
スクリブルでApple Pencilを画面に近づけると、テキストフィールドが自動で大きくなる。手書きの文字がよりや白テキストに変換される仕組みも搭載されている。
まとめると、メリットは主にデジタルペイントが用途のユーザーに刺さる内容。Apple Pencilの仕様がより液タブに近づいたぞ!
iPadによるポイント機能を必須と感じる人
- iPadの主な用途がデジタルペイント
- これまでずっと液タブを使っていた
こんなユーザーはポイント機能が搭載されたiPad Pro(2022年)を購入すればかなり幸せになれる。特にこれまで液タブを使っていたユーザーにとっては、当たり前にできていた機能がなかった旧iPad Proに不便さを感じたこともあったはずだ。
逆にいうと、上記以外の用途のユーザーにとってはそれほど旨味を感じないアップデート。一部のデジタルペイントに特化して使いたいコアなユーザー以外は、このホバー機能を目的に買い替えを検討するのは少し勿体無い。
まとめ
ということで、iPad Pro(2022)に搭載されたApple Pencilによるポイント機能を検証した。これまで液タブを使っていて、そろそろiPad Proに乗り換えようかな、と考えていた方にとっては朗報。これまで唯一の死角だったホバー機能も備えた最強のAppleデバイスが完成した。
既にiPad Proを使っていて買い替えを検討している方は、このiPadによるポイント機能を目的にするほどでもなさそうだ。特にここ1、2年のiPad Proを使っているのなら、処理性能も既に十分。さらに大きなアップデートを待った方が幸せになれるだろう。