XP-PENの液タブ、Artist15.6 Proを開封レビューでご紹介。初の傾き検知ペンの描き心地、描画位置とペン先との視差を画像と動画で共有。価格とスペックの特徴をまとめてご紹介。ワコムCintiq 16とも比較してみる。初心者から液タブの買い替えのユーザーにまでお勧めできる完成度の高い製品だ!
XP-PEN2018年最新液タブ Artist15.6 Pro発売日・価格
XP-PEN液タブの日本での主力製品である15.6インチモデルにProモデルが登場した。Artist15.6 Proだ。前機種のArtist 15.6はコスパの良さと安定した動作で非常に多くのユーザーに選ばれていた。当サイトを通しての購入数も一番の人気機種。この後継機に当たるArtist15.6 Proについてこちらのページで詳しくご紹介する。まずは発売日と価格の情報。
- 発売日:2019年1月23日
- 価格:44,828円
上記の製品リンクは全てAmazonか楽天のもの。でもまずは【XP-PEN】 公式ストアでの購入検討をおすすめする。送料無料だし、公式ストア限定で保証が6ヶ月延長されるので選ばない理由がない。欲しい製品があるかどうかチェックしよう!
XP-PEN Artist15.6 Pro スペックの特徴
ざっくりと製品の特徴を説明するとこうなる。
- 液晶15.6インチ 解像度フルHD
- フルラミネーションディスプレイ(ダイレクトボンディング)
- 液晶 88%NTSC
- 筆圧8192対応、傾き検知レベル±60 ペン搭載
- スタンド付属
前機種と比較するとスペックアップしたポイントは、
- ペン傾き検知対応でより高い追従性能を実現
- フルラミネーションディスプレイで視差を改善
ここ数年で海外製液タブもレベルが上がっているが、その中でもかなり完成度の高い製品だ。早速実機を試せたので開封しながらレビューでご紹介する。液タブ選びの参考にしていただければ幸いだ。
XP-PEN Artist15.6 Pro 開封レビュー
早速梱包箱から見ていくが、化粧箱にしっかりと包まれている。中に入っている梱包物の一覧がこちら。
液タブ本体、接続ケーブル、ペン、ペンケース(替え芯10本)、スタンド、日本語マニュアル、ドライバダウンロード説明カード、三本指グローブが梱包されており、パソコンさえあればすぐに始められるようになっている。
ちなみにこれまでのXP-PENの液タブにはスタンドが含まれておらず別売だったが今回のArtist15.6 Proではスタンドが含まれている。15.6インチだとスタンドは必須。別で買うとなると5,800円するのでかなりお得に購入できる。
スタンドは角度調整はできないが約20度ほどに傾斜をつけられる。表面にゴムが配されているので滑りにくくて良い。
Artist15.6 Pro ディスプレイの実力
液晶サイズ | 15.6インチ |
解像度 | フルHD |
液晶 | 88%NTSC |
フルラミネーション式 |
液晶は15.6インチと今日本で最も選ばれているサイズ感だ。どんなユーザーでも満足度の高い大きさで初心者の方にも大変おすすめ。解像度は他大多数の製品と同じくフルHDと十分なスペック。ちなみに欧米では10インチサイズが一番選ばれているらしい。
注目すべき点は液晶ディスプレイが「フルラミネーション式」だということ。別名ダイレクトボンディング技術とも呼ばれていて液晶ディスプレイとカバーガラスを直接圧着する加工技術のことだ。この技術の恩恵はペン先と描画位置の視差が大きく改善されること。
これまではカバーガラスと液晶ディスプレイの間に空気の層があって、物理的に距離が遠かったことで視差が生まれていた。この距離がフルラミネーション技術で「0」になったので、ペンで直接描画している感覚が強くなる。
上部画像のようにペンをほぼ真横から見ても視差がかなり改善されている。前機種のArtist15.6 も使用したことがあるが、比較して一番感じた進歩点がこの視差の軽減だ。これは素直に素晴らしい。
筆圧8192、傾き検知±60対応ペンの実力
筆圧 | 8192レベル |
傾き検知 | ±60 |
バッテリー | 不要(バッテリーレスペン) |
付属ペンもProモデルということでバージョンアップしている。前機種のArtist 15.6のペンがちょっと残念なデザインだっただけにうれしいポイントだ。ワコムのプロペンとほぼ同じというか全く同じデザイン。グリップ部分がゴム素材で少し太めの設計だ。細かな点だがグリップ部分のサイドスイッチが若干浅くなっており、握ってもボタン部分のでっぱりが気にならなくなっている。
新しく採用されたペン傾き検知だがCLIPSTUDIOPAINT Proで検証済みだ。下部の検証動画でも確認いただけるがしっかりと認識された。傾き検知に対応したことでペンの追従性能がさらに高くなっている。
ペン芯の沈み込みは約0.5mmほど確認できた。ワコムプロペン2よりも深い沈み込み。ワコムから乗り換えで使用する方は若干違和感を感じそうだ。
筆圧感知、傾き検知とワコムの最新スペックと並ぶスペックとなったArtist 15.6 Pro。フルラミネーション技術の液晶技術も加わって描き味の完成度は非常に高くなっている。価格帯はワコムと比べると安いが、安らかろう悪かろうでは決してない。初めての方はもちろんこれまで少し古い筆圧2048レベル程度の液タブを使っていた方が買い替えて使っても十分満足できる描き味だ。
Artist 15.6 本体ファンクションキー・インターフェイス
本体左側に8つのファンクションキーとダイヤルを回して調整できるラジアルキーが搭載されている。現時点で液タブ本体に回転させて調整できるラジアルキーを搭載しているのはこの機種だけ。回すとカチカチと音がして、回した感覚がはっきり伝わってくるタイプのキー。
下部の動画で検証しているシーンをご覧いただけるがキャンバスの拡大縮小、回転を直感的に操作できて非常に便利だった。指を滑らせるタイプのタッチ式よりも感度がしっかり伝わり微調整もしやすく評価できる。
本体側のインターフェイスはUSB Type-Cのみ。パソコン側に必要なのはUSB Type-Aと映像HDMIケーブルだ。
上部画像の赤色のUSBは電源供給なのでコンセントアダプタへつなげる。さらに、電力が足りればパソコンのUSBポートに直接接続することも可能。自分のノートパソコンでは無事にUSB接続で電力供給が可能だった。
つまり液タブ本体とパソコンとの接続だけで事足りるので持ち運びが非常に便利。外出先でコンセントを探さなくてもノートパソコンだけで完結できるので使い勝手がぐっと広がった印象だ。
Artist 15.6 Pro 実際書いてみてのレビュー
実際に描いてみてのサイズ感がこちら。
15.6インチサイズは多くのユーザーに選ばれているだけあってかなり良いサイズ感だ。使用しているソフトはClipStudioPaint Proだがキャンパスを開いてメニューバーを表示させてもかなり余裕がある。さらに机のサイズもそれほど大きくなくても大丈夫。本体縦幅が約28㎝なのでデスクの前にディスプレイを置いても余裕をもって配置できた。
実際書いている様子を動画でご紹介する。
XP-PEN Artist 15.6Pro動画レビュー
【XP-PEN液タブArtist15.6 Pro実機レビュー】
2019年最新スペックのXP-PEN15.6インチ液タブ発売開始
・フルラミネーションディスプレイ視差大改善
・初の傾き検知±60搭載ペン
・スタンド付属でコスパ良し
かなり本気を感じるスペックで大注目
レビュー詳細→ https://t.co/LbeDQrDeHQ#xppen #液タブ pic.twitter.com/pu84MjphMP— Pentablet Club (@PentabletClub) 2019年1月25日
ペンの追従性能やラジアルキー、傾き検知などをご確認いただけたかと思う。
個人的に実際に使ってみてまず感じたのはペン先と描画位置の視差がかなり小さくなっていること。ディスプレイのフルラミネーション技術の恩恵が大きいかと思うが、縦の視差のずれが非常に少ない。前機種と比べると一瞬で分かるレベルの差がでている。液タブ使用者なら必ず感じる視差による違和感が改善されているのは大きなポイントだ。
絵師にとって左手をどう使えるか非常大切な部分。新しく採用された物理的に回転させられるラジアルキーも非常に良い。タッチ式だと+1の操作が非常に難しい。この点カチッと音がして回した感覚が直に伝わって来るので操作感は抜群だ。
視差が改善されたディスプレイと、ついに傾き検知に対応したペン。使い心地にダイレクトに大きな影響を及ぼす部分がスペックアップされただけありかなり満足度の高い製品だ。現在のAmazonでの最安値はこちらからご覧いただける。価格は定期的に変動しているので要チェックだ!
- 発売日:2019年1月23日
- 価格:44,828円
XP-PEN Artist 15.6 ProとワコムCintiq16を比較
これまでワコムの液タブは価格帯があまりに違いすぎて比較対象にならなかった。ユーザーにとって5万円の製品と15万円の製品では比較する意味があまりない。お金があってこだわった日本メーカー製が良ければワコムを選ぶし、コスパを優先するなら迷わずXP-PENやHUIONを選んできた。
だが、ここにきてワコムが低価格帯液タブ市場に参入してきた。それがCintiq 16。安いとはいえ価格帯は若干上で73,224円。でも全然検討できる価格帯だ。ということで今回のXP-PEN Artist 15.6 Proと比較してみる。
XP-PEN Artist 15.6Pro | Wacom Cintiq 16 | |
ペン筆圧 | 8192 | 8192 |
傾き検知 | ±60 | ±60 |
液晶サイズ | 15.6型 | 15.6型 |
解像度 | フルHD | フルHD |
価格 | ||
フルラミネーション | ○ | × |
パッと見ると描画能力に関してのスペック数値は全く同じとなっている。では描き味も全く同じ?そうとは言えない。実際にペンで描いてみての描き味はやはりワコムの方が勝っている。Wacom Cintiq 16には18万円するCintiq16Proに搭載されているプロペン2がそのまま搭載されているのだ。
ただワコムCintiq 16が安いのにも当然理由がある。ディスプレイの視差に関してはXP-PENの方がが優秀な模様。最大のスペックアップポイントである液晶ディスプレイのフルラミネーション技術によってXP-PEN Artist 15.6Proの視差はかなり少なくなっている。一方でワコムCintiq 16にはこの技術は搭載されていない。さらに価格帯。なんだかんだ言ってもXP-PEN Artist 15.6Proの方が安いのだ。
これらを踏まえて自分の用途や好みを考慮して選べばベストな選択ができそうだ。どちらにしてもたくさんの選択肢があるのはユーザーにとってはうれしいこと!自分に合った液タブを選ぶ助けになれば幸いだ!
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