ペンタブレット入門講座

液タブの正しい保管方法|加水分解によるペンのベタつきを防ぐ方法

液タブの保管方法を解説。怖いのは経年劣化、加水分解でペンのゴム部分がベタつくこと。防ぐ方法を紹介する。

液タブの正しい保管方法

液タブは価格帯も高いデバイスで、長持ちさせるために正しい保管方法を知っておくことは大切。

まずは液タブを定期的に使っている場合の保管方法。ペンのベタつきを抑えるための一番良い方法は、定期的に使って、メンテナンスを欠かさないことだ。

ペングリップのベタつきを阻止する

ペンのメンテナンスで大切なのは、ペングリップのゴム素材の部分がベタつかないようにすること。ゴム部分が濡れたままだとベタつきの原因になる。基本的な対処法がこちら。

  • 2本指グローブを使う
  • 使い終わったら汗をしっかりと拭き取る

こんな 2本指グローブがおすすめ。価格も800円程度と手を取りやすい。

このグローブの主な目的は、描画時に液タブディスプレイに触れる手の側面の部分の滑りをよくすることだ。 2本指のグローブなので、ペンを操作する時に使う人差し指と親指部分は露出していて描き心地に影響しないデザインになっている。

他にも手のひらの汗がペンに付着することを防ぐこともできる。一度試していただきたい。

使い終わったら、できれば毎回汗を拭き取って保管するようにしよう。

ペン立てに立てて保管しない

ペンの保管方法にも注意が必要。ペン先の芯の部分は筆圧を感知する非常に繊細な部分。画像のようにペン立てにペン先部分を下にして保管すると、ペン芯に強い力がかかってしまうのでペンの故障に繋がる。

ペンケースに保管するか、専用のペン立てを使って保管するのが最も安全な方法。例えばこんなペンケース。

XPPEN Deco Pro XLW ペンケース

作業中に保管するなら、液タブに付属しているペン立てを使えば安心だ。

液タブ本体のメンテナス

まず基本知識として、液タブは防塵防水性能はないので液体で濡らさないようにしよう。

ワコムの公式サポートでは本体のメンテは静電防止クリーニングクロスか、軽く湿らせた布で拭くように推奨している。液タブの描画部分の表面はディスプレイガラス。ガラスに傷がつかないように注意してメンテナンスをしよう。

例えばこんなクリーニングクロスがおすすめ。

液タブケーブルの保管方法

他に、ワコムの公式サポートで注意点として挙げられていたのは、ケーブルを本体の周囲に巻き付けない、ということ。

液タブとパソコンを接続するケーブル、電源ケーブル類を本体に巻き付けると、ケーブル断線の原因になったり、ディスプレイを傷つける原因になってしまう。

取り外す場合は、ケーブルだけをまとめて保管しよう。

液タブを長期間使わない場合の保管方法

続いて、長時間液タブを使わない場合の保管方法。

長期間液タブを保管する際の一番の注意点は、ペンのベタつきを阻止することだ。長時間使わずに置いておくと、ペンのグリップ部分がベタベタになってしまって、ペン買い換えるしかない…。という事態に陥ってしまうユーザーが多いようだ。自分もその一人で、ペンのベタつきが全然取れなくて、ペンを買い換えるしかない状態になってしまった。

ペンのベタつきをとるために、消しゴムを使ってみたり、キッチンハイターで拭いてみたりしたけれど、完全に取り切ることはできなかった。

液タブメーカーで修理対応できないかと思ったけれど、メーカーによるペン修理の対応は基本的に全て新しいペンへの買い直しとなる。ペン修理のためにかかる送料や部品代などのコストを考えると、新品を買った方が安くなるようだ。

ということで、一番良いのはベタつきを阻止することだ。まずはベタつく原因がこちら。

液タブペンのゴムがベタつく理由

ゴム製品のベタベタの原因は、「加水分解」。空気中の水分(湿気)とゴムが反応して起こる分解反応で、特に湿気が強い日本は加水分解が起きやすい環境と言える。他にも直射日光が当たる場所は、急激に加水分解が進んでしまう。

ということで、大切なのは、

  • 湿気から守ること
  • 直射日光を避けること

高価なカメラも同じ理由で、湿気と直射日光から機器を守るために防湿庫に入れて保管するようだ。

でも、液タブのペン一本のために防湿庫を買うのは現実的ではない。ということで、防湿庫と同じ環境を目指すために、直射日光を避けられる箱に、乾燥剤を入れて保管できる

書きながら思い出したのだけれど、靴とか電化製品を買うと箱に乾燥剤が入っていることがある。あまり深く考えたことがなかったけれど、ゴムやプラスチックの加水分解を防ぐための措置だったようだ。

これらを考えても、液タブのペンを長期保管する場合も、乾燥剤を入れておけば一定の効果を期待できそうだ

以上をチェックして、液タブをしっかり保護していただければ幸いだ。

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PentabletClub

Pentablet Clubはペンタブ、液タブに特化したレビューサイト。運営者NAKATAは液タブを追い続けて6年になるWebエンジニア。WacomやXPPEN、HUION等のレビュー、最新情報をいち早くシェア!2017年から各メーカー液タブをレビュー中。【レビュー総数 / ペンタブ:22台 / 液タブ:34台】