ワコムから発売されたWacom Oneと中華液タブ(HUION,XP-PEN)と徹底比較。4万円台で買えるワコム製13.3インチ液タブということで中華液タブと価格帯はほぼ同じ。スペックやペン性能を比較してどっちが買いか考える。Wacom Oneの特徴であるAndroid対応端末と接続方法も。
Wacom One|4万円台で買えるワコム液タブ登場!
ワコムからついに初心者向けの液タブWacom Oneが発売された。これまで初心者が手軽に手を出せる液タブといえば中華液タブといわれる、HUIONやXP-PENのみだった。ワコムのほぼ半額で買えた中華液タブが売れに売れていたが、ここにきてワコムも初心者液タブ市場に参入。
まずはWacom One(DTC133W)がどんな液タブかをサクッとまとめるとこうなる。
- 価格46,750円(税込み)
- 液晶13.3インチ、解像度フルHD
- ペン筆圧4096レベル・傾き検知対応
- Androidタブレットにも対応可
液晶 | 13.3インチ |
最大解像度 | 1920×1080 |
最大表示色 | 1677万色 |
色域 | NTSCカバー率72% |
ペン筆圧 | 4096レベル |
傾き検知 | ±60° |
外径サイズ | 225×357×14.6mm |
重量 | 1kg |
ワコムなのに安い!というのが第一印象だ。メーカーの説明でも、「デジタルエントリー向け液晶ペンタブレット」となっている通りスペックはほどほどに抑えられている。
Wacom Oneの特徴
Wacom Oneには他液タブにはなかった面白い特徴を備えているのでご紹介。
Android端末に接続可能
これまでの液タブはWindowsかMac OSのパソコンにのみ接続可能だった。ワコムだけに限らず他中華液タブもすべてそう。なんとWacom OneはAndroidOSのタブレット、スマホに接続できる。対応機種がこちら。
- Huawei, Mate 20 Pro
- Samsung, Galaxy S8
- Samsung, Galaxy S10+
- Samsung, Galaxy Note 9
- Samsung, Galaxy Note 8
- Samsung, Galaxy Note 10+
- Samsung, Galaxy Note 10
- Huawei, P30 Huawei, P20 Pro Huawei, Mate 30 Pro
これはすごい!外出先でもスマホさえあれば液タブが使えるわけだ。ペン追従性能はパソコン側の処理性能にかかっていたので、最新スマホがどれほどの描画能力を発揮するのかは大注目だ。
液タブ使ってみたかったけどペイントソフトをサクサク使える性能のパソコンがない。。。とあきらめていたユーザーも多いはず。新しいユーザー層を開拓できそうだ。ただAndroid端末と接続するには変換アダプタを別で購入する必要があるのでご注意を。
他文房具メーカーのデジタルペンに対応
Wacom Oneはワコム以外のデジタルペンにも対応している。現時点で対応しているのがこちら。
- STAEDTLER,Noris digital
- LAMY, AL-star black EMR
- Mitsubishi, 9800 Pencil
- Raytrektab, DG-D08IWP
- Samsung, Galaxy Note and Tab S Pen
今後ほかの文房具メーカーのデジタルペンにも対応予定だ。ということで今すでにこれらのペンを持っていれば使えるということになる。いやぁこれは助かった!というユーザーはあまり多くないとは思うが技術的にはすごいことだ。
ということで価格帯や新技術など目新しい特徴が目白押しのWacom One。今売られているHUIONやXP-PENと比較しながらスペックをチェックしていこう。
Wacom OneとHUION,XP-PENを徹底比較
ペン描画性能を比較
Wacom | XP-PEN、HUION | |
ペン筆圧 | 4096レベル | 8092レベル |
傾き検知 | ±60° | ±60° |
Wacom Oneに付属しているペンは現時点でワコムの上位機種に付属されているWacom ProPenとは異なっている。
筆圧感知レベルではHUIONやXP-PENの方が上回っている。じゃあWacom One液タブはXP-PENよりも描き心地が半分劣るかといえばそうではない。筆圧レベルはあくまで描画性能の一部分。
液晶性能を比較
Wacom One | HUION,XP-PEN | |
液晶サイズ | 13.3インチ | 16インチあり |
最大解像度 | 1920×1080 | 1920×1080 |
液晶の解像度はWacom OneもHUION、XP-PENと同じ。ただ液晶サイズは同じ価格帯で中華液タブの方が大きいものを購入できる。15.6インチか16インチという今一番売れ筋のサイズだ。さらに今なら22インチのXP-PEN Artist22Proが4万円台で販売中だ。
Wacom OneとXP-PEN,HUIOINなど中華液タブ|どっちが買い?
Wacom Oneと中華液タブ、XP-PENやHUIONと比較した。ということでどっちが買いなのか。
価格÷スペック数値 でいうと中華液タブが買い
スペック数値というのは、ペン筆圧レベルや、液晶サイズなど。ここ数年で中華液タブのレベルがぐんぐん上がっている。HUION,XP-PEN共にワコムの最新機種であるWacom Cintiq Proシリーズと同じ筆圧レベルを実現している。
中華液タブがここまで売れたのもそのスペックによって生み出される描画能力が確かで十分使えるレベルに達しているからだ。そして価格もWacom Oneが安くなったとはいえ中華液タブの方が安い。時期にもよるがWacom Oneよりも1万円ほど安く購入できる。しかも液晶16インチ、22インチのものがだ。
例えばXP-PEN,HUIONの最新機種がこれら。
Wacom One最大の特徴=日本メーカーの安心感+サポート
Wacom Oneを購入する最大の理由が日本メーカーの安心感・サポートだろう。中華液タブのレベルが上がってはいるがペンタブレット業界で35年の歴史を持つワコムの描き味には達していない。自国のサポートが受けられるので万が一故障した時の安心感も大きなポイントだ。
さらにAndroid端末で使えるというのも大きな魅力。パソコンを持っていないユーザーも増えているので一定数のユーザーのニーズにがっつりはまっているはずだ。
液タブ初心者にとっては朗報
数年前なら液タブを導入するために2,30万円は最低必要だった。今や3万円からいろいろなメーカーの選択肢がある。さらにWacom Oneであればパソコンさえ不要でAndroid端末で運用できるようになった。これから液タブを始めたい方にとって朗報以外の何でもない!
今回はWacom Oneと中華液タブを比較検討した。自分のニーズに合った製品を選ぶ助けになれば幸いだ。