Intel製のCPUの型番の見方を知っておけばパソコン選びが1時間早くなる。今使っているPCのIntel製CPU型番の調べ方から末尾のアルファベットの意味までをまとめた。CPUのメーカー、シリーズ、プロセッサーナンバー、製品カテゴリー等を一覧で整理してCPU性能を比較する。今の最強はIntel Core i9-7980XEか。
Intel製CPUの型番の見方を3分で理解
Intel製CPUの型番は一見暗号。Core i9-7980XE 2.60GHzとかCore i7-8700K 3.70GHzとか良く分かっていない人がほとんどだ。パソコンに結構詳しくても、「数字が大きければ新しいんでしょ?」位の認識の方が多い。がそれだけで満足してはいけない。
PC選びでは自分の必要なスペックのCPUを選択するのがカギ。3分かけて学んでおけばこれからPCを選ぶ時の時間を1時間は節約できるはず!ということでIntel製CPUの型番の見方を順を追って説明していく。まずは自分のPCのCPU型番を調べてみよう。
今使っているPCの型番の最速調べ方(Win10)
方法はいろいろあるけれど一番早くて簡単な方法がこちら。
- デスクトップの何もないところで右クリック
- 【ディスプレイ設定】をクリック
- 左側縦に並んでいる中の一番下【バージョン情報】をクリック
- 【プロセッサ】というところを確認
おそらくこの方法が一番簡単。こういったアルファベットと数字の羅列が書かれている。
- Core i9-7980XE 2.60GHz
- Core i7-7800X 3.50GHz
- Core i 5-8500 3.00GHz
などなどだ。
Intel製CPUの型番の見方、読み方
では早速Intel製CPUの型番の見方を手前からひとつづつ解説していこう。例となる型番は Intel Core i7-8700K 3.70GHzだ。
Intel Core i7-8700K 3.70GHz
- Intel = メーカ―名
こればCPUのメーカー名、読み方はインテルだ。現在主に流通しているのはIntel(インテル)とAMDの2種類となっている。
Intel Core i7-8700K 3.70GHz
- Core = ブランド名
Coreの読み方はコア。こちらはCPUのブランド名で現在Intelから販売されている主なブランドの一覧がこちら。
Core | インテルの主力ブランド。動画編集などのハイエンド向けから文書作成などの簡単な作業が主なローエンド向けまでそろっている。 |
Core M | 低価格パソコン向けのCPU。以前は最高峰CPUに命名されていたが現在は低価格版モデルとなっている。 |
Pentium | ノートパソコン向けの消費電力を抑えたモデル。Coreシリーズよりも安く購入しやすい価格帯。 |
Celeron | 上記Pentiumよりもさらに安価。省電力で低価格PCやモバイルに使用されている。 |
Atom | 安価なタブレットPCなどに使用される低スペックモデル。用途は限られるが価格の安さは一番。 |
Intel Core i7-8700K 3.70GHz
- i7 = シリーズ名
i7(アイセブン)はシリーズ名。以前は色々あって分かりにくかったけれど現在は、
i3 | ローエンド |
i5 | ミドルレンジ |
i7 | ハイエンド |
i9 | 最高スペック |
というシリーズ名となっており、数値が大きいほど高性能となるのでわかりやすい。
Intel Core i7-8700K 3.70GHz
- 8700 = プロセッサーナンバー
こちらも数字が大きいほど高性能となる。(例:8700>8500)さらに数値の意味を詳しく見ていこう。数値のはじめ一桁の意味。
- 8700 = シリーズの世代
初めの一桁はシリーズの世代。つまり8700は第8世代、7600は第7世代、6600は第6世代となる。もちろん数値が大きい方が新しい世代。ちなみに世代ごとに名前がついている。第7世代がKaby Lake、第6世代がSkylakeといった具合だ。覚える必要はないが第一世代からの名前に興味のある方はご覧あれ。
シリーズ名一覧
- 第1世代:Nehalem
- 第2世代:Sandy Bridge
- 第3世代:Lvy Bridge
- 第4世代:Haswell
- 新第4世代:Haswell Refresh
- 第5世代:Broadwell
- 第6世代:Skylake
- 第7世代:Kaby Lake
- 第8世代:Coffee Lake-s
- 第9世代:Coffe Lake Refresh
- 第10世代:Comet Lake
- 第11世代:Tiger Lake
Intel Core i7-8700K 3.70GHz
- K = 製品カテゴリー
4桁の数値の後のアルファベットは製品カテゴリーを表している。主に販売されているカテゴリーをご紹介する。
- デスクトップ
なし | 通常版。TDP(45-95W) |
X | 性能価格ともにExtremeな最上位モデル |
K | オーバークロック対応。通常版よりも1ランク高いモデル |
S | 省電力モデル、動作周波数が低い |
P | 内蔵GPUが搭載されていないモデル |
- ノートパソコン
B | ハイエンド向けモデル、デスクトップB通常版と同じ性能 |
H | ハイパフォーマンスグラフィックスモデル |
HK | ハイエンド向けでMSIゲーミングPCなどに搭載 |
HQ | 高性能GPU内蔵などハイエンドモデルに搭載 |
MQ | 第4世代CPUまでのクアッドコアモバイルモデル |
M | 第4世代CPUまでのスタンダードモデル |
U | 省電力のモバイル向けのモデル、TDP15W |
Y | 超省電力モデルでTDP11.5W |
QM | 第3世代までの古いモデル |
ざっくりとだけれどアルファベットの意味をご紹介した。最後がこちら。
Intel Core i7-8700K 3.70GHz
- 3.70GHz = 動作周波数
最後の数値が動作周波数、GHz(ギガヘルツ)。クロック周波数とも呼ばれている。
パソコンのデータはすべて「0」「1」だけで表現されている。電気を「OFF(0)」か「ON(1)」にするかの2種類を切り替えることで情報を処理しているのだ。動作周波数(クロック周波数)とはこの2つを切り替えるスピードのこと。GHzは1秒間に何回振動したかを表す単位で、1GHzは10億回/1秒間。ということで、
- 3.70GHz = 37億回/1秒
となる。すごい。。。なのでこの数値が大きければ大きいほど処理性能が高いということになる。
ただ、
2008年にクロック周波数が3.0GHzを超えてから現在までの10年間はほぼ同じ周波数となっている。というのも数値を上げすぎると熱くなりすぎて動作しなくなるからだ。ということで最近のCPUを選ぶ際には動作周波数の数値はさほど気にしなくてもよくなった。どれも似たり寄ったりだからだ。それよりも世代やカテゴリー等を全体的に見て判断するのが賢い選び方。
CPUの選び方 まとめ
Intel CPUの型番の見方をご紹介した。シリーズ名のi7、プロセッサーナンバー、動作周波数など基本的には数値が大きいほど高性能となると覚えておけば間違いはない。だけど、ひとつの数値だけに注目して選ぶのは間違いのもと。
CPU型番全体を見て比較するべし
例えばシリーズ名(i7,i5)だけに注目してとりあえずCore i7を選べば一番早いだろう、と思ってもプロセッサーナンバーの一桁目の数字(CPU世代)が古いものであれば処理性能は低い。さらに最後のアルファベット(製品カテゴリー)がUなど省電力低スペックモデルであればCore i7であっても処理性能は低くなる。
なのでCPUを選ぶ際はシリーズ名だけではなくて第何世代かや製品カテゴリーなど総合的に考えて選べばベストバイができる。ドスパラのCPU比較サイトなどを参考にして比較して選ぶのも良い手だ。
以上Intelの暗号のような型番の見方を説明した。日進月歩なのですぐに新しいシリーズが発売されている。ただ必ずしも最新スペックが自分の用途に合っているとは限らない。自分の用途をチェックしてハイスペックになりすぎないCPUを選べばコスト的にも性能的にもベストなものを選択できる。皆様の快適なPCライフの助けになれば幸いだ。