今話題になっている米国企業にWeChatとの取引を禁止するという大統領令。中国深センに拠点を置いているPentablet.Club編集部が肌で感じる影響度の高さを書いてみる。結論から言うとWeChatがAppStoreから削除されたら中国在住者はiPhoneを使い続けることはない。
WeChatがAppStoreから削除された後の中国はどうなる
ドナルドトランプ大統領は米国企業にTikTokとWeChatとの取引を禁止する大統領令を発令。WeChatがAppStoreから削除されるのでは?という不安がテック企業の中で広がっている。
ただ現時点ではどういう形で削除されるのかは不明。ただもし全世界のAppStoreからWeChatが削除された場合、中国のユーザーはどういう決定をするかは結構簡単。
もし全世界のApp StoreからWeChatが削除されたら
中国のApp Storeからも削除された場合中国ではどうなるのか。Weiboのアンケート調査と著名アナリストのミンチークオ氏の推測ではこうなる。
- 95%の中国ユーザーが他スマホへ乗り換え
- 結果iPhone売り上げの25-30%減
この数値は大袈裟? →現在中国深センに駐在しているPentablet.Clubの編集部も全く同感。
この問題はアメリカと中国の政治的な思想が絡んでくると冷静な判断ができなくなるので、客観的にWeChatが利用できないiPhoneを一ガジェットとして考える。そうすると確かに「WeChatが利用できないiPhoneは使わない」という結論になる。
もっと正確に表現すると「WeChatが利用できないiPhoneは使う機会がほぼない。」というのも中国での生活にWeChatが深く入り込んでいるからだ。自分の1日の生活でどのくらいWeChatを使っているのか考えてみた。
- 出勤の地下鉄に乗るときにWeChat内のアプリで決算(バスも)
- コンビニで朝食を買うときにWeChatで決算
- 仕事の取引先とWeChatでアポどり
- 仕事の取引先から緊急連絡
- お昼ご飯をMacで食べるときにクーポンをWeChatで探す
- スポーツジムのWeChat内アプリを使ってジム内に入場
- WeChat内のアプリでジムのロッカーを開ける
- バス停で次のバスが何分後に来るのかWeChat内のアプリで確認
- ウォールマートの無人レジをWeChat内のアプリで決算
などなど。
考えてみるとこんなに使ってたのかとびっくりするくらいWeChatに依存していた。ほんとびっくり。
ということでもしiPhoneでWeChatがつかえなくなった時の影響力は絶大なのだ。95%の中国ユーザーがiPhoneは使わない、という調査結果は大袈裟でもなんでもなくてまさに真実!というのが中国在住の編集部一同が肌で感じる感覚だ。
もしそうなったら自分もiPhone使わなくなる。WeChatが生活からなくなると不便すぎるのだ。
アメリカのAppStoreからのみWeChat削除?←一番穏便な結末
ということで一部で予想されているアメリカのAppStoreからのみ削除されるという結末に期待したい。
調査会社Canalysによると中国の2020年4-6月のiPhone出荷台数は35%増の770万台。iPhone11もiPhone SE第二世代も売れに売れているのだ。この勢いが突然ストップすれば各業界に激震が走るのは間違いない。新たなニーズの奪い合いが始まりそうだ。今後の変化にも注目して現地で感じる実情を発信していく予定だ。