ワコム Intuos Proを株式会社ワコムさんからお貸いただけたので実際に開封して使ってみてのレビュー。本格的なペンタブをお探しの方へ激しくおすすめできる最高スペックペンタブの描き心地。前Intuos Pro・海外ペンタブと比較して徹底検証する。注目の筆圧など仕様数値もレビューと合わせてご紹介。プロ向けペンタブをお探しの方へ送る記事。
Wacom Intuos Pro 2017年モデル販売開始!
Intuos Proは株式会社ワコムから2017年1月に販売開始されたペンタブレット。日本国内はもちろん世界中のイラストレーターに選ばれているペンタブレットメーカーワコムから数年ぶりに発売されたNEWモデルだ。本格的にデジタルペイントを始めたい方は手にしておきたい最高スペックのペンタブレット。現在のAmazonでの最安販売価格がこちら。
他にもワコムストアでは限定のパッケージ販売などが豊富なのでチェックしていただきたい。
今回株式会社ワコムさんからIntuos Proをお貸いただけたので開封レビューとしてご紹介する。
Intuos Pro 2017年モデル|開封レビュー
早速開封。パッケージは上部に写真を載せているが箱の裏側がこちら。
そしてマジックテープで止められているふたを開けるとペンタブ本体がでてくる。箱の黒い●がマジックテープになっていてかなりしっかりとしている。何度開け閉めしても全く問題ないつくりで収納ケースとして使えそうだ。
そしてペンタブ本体を取り出すと中に付属品が梱包されている。
現時点で最高スペックのプロ向け製品だけあって梱包箱にもプレミアム感があふれている。前機種のIntuos Proは真っ黒な梱包で職人の道具感が強かったが新製品は隙がなく非常にスタイリッシュな印象。梱包されている付属品がこちら。
Intuos Pro 付属品|新製品の特徴
付属品はいたってシンプル。
ペンタブ本体、Proペン2、ペンスタンド(替え芯、標準芯6本、フェルト芯4本)内蔵、ペンカラーリング、オーバーレイシートサンプル、USBケーブル(USB-C)、クイックスタートガイド、保証書
では付属品で注目のポイントを見ていこう。
Wacom Pro Pen2|筆圧レベルなど大きな進歩を遂げたプロペン2
Intuos Pro2017年モデルの一番の注目点といって良いPro Pen2。2となっているように前機種のIntuos ProやCintiqに付属されていたプロペンの後継機種だ。主な仕様数値がこちら。
ペン入力 | ペン | Wacom Pro Pen 2 |
読取方式 | 電磁誘導方式 | |
筆圧レベル | 8192レベル | |
サイドスイッチ | 2つ | |
傾き検出レベル | ±60レベル | |
読取分解能 | 最高0.005mm | |
読取可能高さ | Wacom Pro Pen 2:10mm | |
読取速度 | 最高200ポイント/秒 | |
読取精度 | ±0.25mm | |
読取可能範囲 | 224 x 148 mm |
Wacom Pro Pen2の進歩点は仕様数値上ではただ一つ、筆圧レベルが2048レベルから8192レベルへ4倍にアップした。この進歩によってより自分の理想に近い筆圧に調整が可能になった。詳細なデザインを見てみよう。
ペン先の出ている部分は約1mm。ペン先を板につけるが沈み込みはほぼない。ペン先の遊びが少なくなっている。前Intuos Proはペン先の部分に若干の遊びというかグラグラと揺れる感覚があったが、Pro Pen2ではその状態がなくなっている。
(左:プロペン 右:プロペン2)
ペン先がしっかりと固定されているので更に実際のペンに近づいている。サイドスイッチの数、位置、ペンの太さは前プロペンと全く同じなので持ち心地に関しても全く同じ。前Intuos Proからもストレスなく移行できるはずだ。実際に描いての描き心地は後程取り上げる。
ペンスタンド|ペン芯、芯抜き機能搭載
ペンスタンドは高さ2cm、直径7cm。開け方は付属のマニュアルに記載されているように回転させるのだが、結構力を入れないと開かないのでご注意を。ペンを縦にしても横にしても置くことができる仕組みだ。ただ横にしておいた際の溝が浅いのでササッと適当に置くと転がっていくのが残念。スタンドは前の方がよかったかな。ただデザインはこちらの方がスタイリッシュ。
中に標準芯とフェルト芯が収納されている。フェルト芯は摩擦係数が非常に高く、マジックで描いているような感覚だ。ギュッギュッと力強く描きたいユーザー向けだ。
ペンリング、オーバーレイシートサンプル
ペンリングはワコムペンタブでおなじみの付属品だが、注目はオーバーレイシートサンプル。今回のIntuos Proは描画範囲の板表面のシートを交換できる。それぞれ摩擦係数の異なる、Rough,Standard,Smoothの三種類だ。ワコムストアでそれぞれ3,240円(税込み)で販売中だ。
これはユーザーが待ち受けていたオプションだろう。これまでペン芯は交換できたがシートは1種類だったが選択肢が増え、ユーザーの理想に近い描き味を再現できる。長く使っていると板表面の傷、手の油による汚れが気になることもあったがシートを交換すればまた新品の描き味になるのもうれしいポイントだ。
Intuos Pro 2017年モデルペンタブレット本体
Medium | 読取可能範囲 | 224 x 148 mm |
外形 | 338 x 219 x 8 mm | |
Large | 読取可能範囲 | 311 x 216mm |
外形 | 430 x 287 x 8 mm |
サイズ展開は2種類。これまであったSサイズは廃止されている。今回レビューしているのはMediumサイズのものだ。ちなみに前機種のIntuos Pro Mediumの読取可能範囲は223.5×139.7mmサイズは前Intuos Proのものとほぼ同じだ。
本体裏側にはすべり止めのゴムが上下に配されている。Wacomのロゴの文字が鏡面仕様になっていてかっこいい。
本体の薄さは8mmとスリムでスマートなデザイン。本体ファンクションキーがついている側に電源ボタンとタッチ機能ON,OFFのスイッチが配されている。反対側はパソコンと接続するケーブル差し込み口。形式はペンタブ側がUSB TYPE-C、パソコン側は通常のUSBだ。パソコン側がUSB TYPE-Cではなくて一安心。
そしてペンタブ側がUSB TYPE-Cになったことでのメリットがこちら。
USB TYPE-Cは上下どちらでも接続できるので、ケーブルを上側にさばくか下側にさばくかを自由に選択できるようになった。実際に設置してみるとこのメリットは地味にうれしかった。
ファンクションキーは上下に4つずつ。真ん中に指でなぞって回転させるタッチホイールが配されている。押し込みは浅い。
Intuos Pro 実際の描き味レビュー
実際に描いて身のサイズが感がこちらだ。実際に描いてみる。
描き心地|上質で紙に描いた感覚により近づいている
表面のシートは交換していないのでStandardのものだが、摩擦係数は若干高め。描き味は少ししっとりとしていてスルスル滑っていくことはない。ペンタブの描き味は実際のペンのそれと違って当たり前なのだが、Intuos Pro2017年モデルは紙に描いた感覚により近づいている。
ペン先を板につけるとカチャカチャと音がするペンタブもあるが、Intuos Proはその感覚が全くない。所謂プラスチック同士が当たった時の感覚とは全く異なり上質な描き味。普段液タブを使っているが、液タブの場合描画スペースはガラスになるのでカチカチ音がするがそれが全くなく描き心地は非常に良い。描き味だけでいうとペンタブの方が紙に描いた感覚に近いことを再認識させてくれる。
描画能力|反応速度は群を抜いて良い
Photoshopで描画してみたが、反応速度は他のメーカーのものと比べると群を抜いてよかった。反応速度はパソコンのスペックにもよるが、同じ環境で他メーカーのペンタブを使っての感想なので間違いはないはずだ。かなりのスピードでペンを走らせてもついてくる感覚は初めてだ。
実際に描いてみての反応速度の動画を載せておく。反応速度はパソコン能力にもよるが参考までに。遅延はなくある程度描画スピードを上げても問題ない。
【ワコムIntuos Pro 2017年モデル開封レビュー|筆圧8192最高スペックペンタブの実力】
ペン描画反応速度検証動画
詳細➡https://t.co/FUZAjV2nPp …#IntuosPro#ワコム#wacom pic.twitter.com/dkGcPRontt— Pentablet Club (@PentabletClub) 2017年6月15日
自分の理想の描き味へカスタマイズできる喜び
板表面のオーバーレイシートが交換でき摩擦係数を調整できる。さらに筆圧レベルが8192レベルに進歩し、より理想に近い筆圧感度へ調整できたりと、カスタマイズできる幅が大幅に広がっている。これまではユーザーがペンタブレットの特徴に合わせる必要があったが、これからはオプション品や筆圧調整機能を上手に使って、ユーザーの描き方の特徴に合わせてカスタマイズできる喜びは大きい。
Intuos Pro 2017年モデルは買い?
Intuos Pro2017年モデルは現時点で間違いなく最高スペックのペンタブレット。これ以上の性能を持つペンタブレットは世界中にどこにもない。本格的にデジタルペイントを始めたい、という方へ強くおすすめできるペンタブレットだ。プロも使っているペンタブはぜひ手に入れておきたい。
これまで前機種Intuos Proを使っている人は買い替えるべきか
前機種のIntuos Proが発売開始されたのは2013年。ただその一つ前のIntuos 5からの描画性能の変化は一切なかった。ということでペン筆圧レベル、オーバーレイシートオプションなど、今回のIntuos Pro2017年モデル進歩はここ最近で一番大きな変化だ。
更に仕様数値以上にプロペン2の描き味も更に紙に描いた感覚に近づいている。発売周期で考えると今回のIntuos Proも5年間は第一線の製品として活躍してくれるだろう。これまで前Intuos Proを使っていた方も買い替えの検討をおすすめできるペンタブレットだ。
現在の最安値はこちらからご覧いただける。ワコムストアでも販売されているが限定パッケージなどお得な情報もあるのでチェックしていただきたい。Amazonや楽天でも販売中。
ワコムから販売開始されたIntuos Pro2017年モデルを開封レビューとしてご紹介した。本格派のペンタブをお探しの方におすすめできる、プロなら手に入れておきたいペンタブレット。購入を悩んでおられる方が参考にしていただければ幸いだ。製品をお貸いただいたワコムさんにも感謝。